シニアCOBOLエンジニアに熱い視線!需要の理由と求められるスキル

目次

COBOLエンジニアへ。「自分のスキルは古い?」

長年COBOLと共に歩んできたベテランエンジニアの皆様、お疲れ様です。

「若い人たちは最新のプログラミング言語を学んでいるのに、私のCOBOLスキルはもう時代遅れかな?」
「このまま定年まで仕事はあるのかな?」
「新しい技術に乗り換えるべき?」

こんな不安を感じることがあるかもしれません。

でも、結論から先にお伝えします。

アクティブくん

その心配はいりません

この記事では、2025年の今、ベテランCOBOLエンジニアの需要や、どんな場所で活躍できるのか、どんなスキルが求められているのか、そしてこれからのキャリアについて解説します。

読めば、あなたの持つCOBOLスキルと長年の経験がどのように活用できるか御理解いただけるはずです。

需要は依然”高”!50代、60代のCOBOLエンジニアが今、必要とされる理由

ベテランCOBOLエンジニアの需要は、2025年の今も安定しています。

これは下記のような理由からです。

COBOLエンジニアが必要とされる理由
  • 社会の重要なシステムを支える大量のCOBOLプログラム
    銀行や公共機関の多くは、今でもCOBOLで書かれたプログラムで動いています。日本の大手銀行やローカル銀行の基幹システム、保険会社の契約管理、役所の重要なシステムの多くもCOBOLで作られたものです。調査によると、2020年時点でも世界中の金融取引の70%以上が今もCOBOLシステムで処理されていると報告されています。
  • 若いCOBOLエンジニアがとても少ない
    2000年代以降、COBOLを学ぶエンジニアは減少を続けています。IT人材会社の調査では、40歳未満のCOBOLエンジニアは全体の15%にも満たないそうです。つまり、実務経験豊富なベテランCOBOLエンジニアの価値は、むしろ年々高まっているのです。
  • システム刷新の「橋渡し役」として重要
    多くの企業が古いシステムを新しくしようとしていますが、古いシステムを熟知し、新システムへの移行をサポートできる人材が絶対に必要なのです。特に業務の仕組みを深く理解し、新旧システム間の整合性を確認できるベテランエンジニアがいないと、安全な移行はできません。

なぜ今、COBOLとベテランの経験が求められるのか?需要を支える3つの背景

背景1:社会の重要システム、COBOLシステムの維持管理ニーズ

社会の重要なインフラとしてのCOBOLシステムは、「古いから取り替える」というわけにはいきません。

  • 銀行の基幹システム:毎日何百万件もの取引を処理し、一瞬の停止も許されない
  • 保険会社の契約管理:何十年も続く契約履歴を正確に管理し続ける必要がある
  • 年金システム:国民の生活を支える土台として絶対的な安定性が求められる

こうした絶対に止まってはいけないシステムは、長年の実績と安定性が証明されているからこそ、簡単に新しい技術に置き換えられないのです。

背景2:今まさに現実となった「2025年の崖」と技術者不足

経済産業省が警告していた「2025年の崖」。古いシステムの保守・運用を担う人材の高齢化と不足は年々深刻になっています。まさに今、2025年においてその問題は現実のものとなっています。

IT人材調査会社の最新レポートによれば、

  • COBOLエンジニアの平均年齢は57.8歳
  • 若手の育成が間に合わない状況で、2025年以降も年間約3,000人のCOBOLエンジニアが定年退職している

このギャップを埋めるために、経験豊富なベテランエンジニアの再雇用や、リタイア後も働いてもらう動きが加速しています。

背景3:デジタル化推進の裏で必須となる古いシステムとの連携・移行

多くの企業がデジタル化(DX)を進める中、表では最新のクラウド技術や新しいシステム開発が話題になります。でも、その裏側では、「新しいシステムと古いシステムをつなぐ設計」「正確なデータ移行の実施」が絶対に必要です。これらの課題に対応するには、COBOLシステムを深く理解している人材が欠かせないのです。

アクティブくん

重要な社会インフラのほとんどがCOBOLなんだね。

【活躍の場はここ!】シニアCOBOLエンジニアが輝く業界

COBOLエンジニアの活躍の場は多岐にわたります。主な業界や分野を見ていきましょう。

金融業界:安定性が命の基幹システム

金融業界では、特に以下の分野で高い需要があります。

  • 銀行の基幹システム:口座管理、お金の入出金処理、ローン管理などの中心となるシステム
  • 証券会社のバックオフィスシステム:取引管理、決済処理
  • 保険会社の契約管理システム:長期にわたる保険契約の管理と計算処理

ここ数年にわたるシステム刷新計画の中で、移行期間中のCOBOLエンジニア確保を重要課題としている大手都市銀行もあります。

公共分野:国民生活を支える大規模システム

官公庁や自治体の基幹システムでもCOBOLエンジニアの需要は堅調です。

  • 社会保障関連システム:年金、健康保険など国民生活に直結する分野
  • 税務システム:税金徴収や還付処理を支える複雑なルール
  • 住民情報管理システム:住民基本台帳など自治体の基本業務

特に制度改正対応では、システムへの理解と素早い対応が求められ、経験豊富なベテランエンジニアの価値が高く評価されています。

大手製造業・流通業:安定稼働が必須の基幹システム

製造・流通分野でも依然としてCOBOLを本にしたシステムが稼働しています

  • 生産管理システム:部品調達から製造工程管理まで
  • 在庫・物流管理システム:全国の物流拠点を結ぶ基幹システム
  • 販売管理システム:売上・仕入れ管理など経営の根幹を支えるシステム

特に大企業では、数十年の運用実績を持つシステムが多く、これらを経験したエンジニアの価値はとても大きいものです。

システム開発会社:技術継承とシステム移行の要

SIer(システムインテグレーター)における需要も高まっています。

  • システム移行支援:古いシステムから新システムへの移行支援
  • 保守管理の受託:企業から委託された古いシステムの保守・運用
  • 技術継承プログラム:若手への知識・ノウハウ移転の指導者役

例えば富士通では、2024年4月より「COBOLマイスター制度」などを設け、ベテランエンジニアの経験を会社の宝として活用する動きも出ています。

【求められる能力】経験だけじゃない!市場価値を高めるスキルとは?

ベテランCOBOLエンジニアに求められるスキルは、単なるプログラミング能力だけではありません。もちろん、基礎となるCOBOLの開発経験や、メインフレーム環境、データベースなどの知識は求められますが、下記のようなスキルもあなたの市場価値を高めてくれます。

市場価値を高めるスキル
  • 業務知識の深さ:金融、公共、製造など担当分野のビジネスルールの理解
  • ドキュメント読解・解析能力:古い仕様書や不完全な資料から要件を理解する力
  • 問題解決能力:長年の経験に基づくトラブル対応能力
  • テスト設計・品質保証の知識:特に変更の影響を見極めるテスト能力
  • コミュニケーション能力:若手指導、お客様との打ち合わせなど、経験を伝える力
  • 新しい技術の基礎知識:他のプログラミング言語の基本的な理解(連携や移行のため)
  • システム移行関連知識:移行ツールの使用経験や方法論の理解
  • プロジェクト管理スキル:特に古いシステム部分の予定・リスク管理能力

特に、「業務知識」「コミュニケーション能力」はほとんどの企業が重視するスキルです

技術を言葉で説明し、次世代に伝える能力も高く評価されます。

技術以外のスキルも得意不得意を自覚しておかないといけないね。

【働き方の選択肢】正社員だけじゃない!COBOLエンジニアの多様なキャリア

年齢や生活設計に合わせた多様な働き方が可能です。それぞれの特徴を見ていきましょう。

正社員(転職・再就職)

  • 良いところ:安定した収入、福利厚生、組織内での役割がはっきりしている
  • △大変なところ:勤務時間や場所の制約が大きい場合がある
  • ☆向いている人:長期的に安定した仕事を望む方、組織の中で技術継承などに貢献したい方

業務委託(フリーランス)

  • 良いところ:高い報酬、柔軟な働き方、複数の仕事の掛け持ち可能
  • 大変なところ:契約更新の不安定さ、福利厚生なし、自分で全て管理する必要性
  • 向いている人:自己管理ができる方、専門性を活かして効率的に収入を得たい方

派遣社員

  • 良いところ:雇用保険や社会保険に入れる、仕事紹介を受けられる
  • △大変なところ:正社員より報酬が低い場合がある、契約期間の制限
  • ☆向いている人:ある程度の安定性を確保しつつ、柔軟な働き方を望む方

顧問・アドバイザー

  • 良いところ:負担が比較的軽い、高い専門性の評価、経験を活かした貢献
  • △大変なところ:案件数が限られる、継続的な収入としては不安定な場合も
  • ☆向いている人:セミリタイア志向の方、仕事と生活のバランスを重視する方

短時間勤務・時短正社員

  • 良いところ:仕事と生活のバランスの確保、体力面での配慮
  • △大変なところ:収入減、キャリアアップの機会が限られる場合も
  • ☆向いている人:体力面に不安がある方、副業や家族との時間を大切にしたい方

例えば、60代で定年後、正社員から業務委託へ移行し、働きが評価された後60代後半で顧問やアドバイザーにシフトするキャリアパスを取るエンジニアの方もいます。自分のライフスタイルや健康状態に合った働き方を選ぶことが大切です。

リアルな話:気になる「年収・報酬」の目安

ベテランCOBOLエンジニアの市場価値を示す、気になる年収・報酬の目安を見ていきましょう。経験、スキル、業界によって異なりますが、一般的な相場は以下の通りです。

正社員の場合(年収)

  • 標準レベル:400万円〜600万円程度
  • 高スキル・ハイレベル:600万円〜900万円程度
  • マネジメント経験あり:900万円〜1,200万円程度

特に銀行の基幹システム担当や、複数の業界経験を持つマルチスキル人材は、高い年収が期待できます。

業務委託・フリーランスの場合(月額報酬)

  • 標準レベル:10万円〜80万円程度
  • 高スキル・専門性高:20万円〜100万円程度

業務委託は案件次第で相場が大きく変わります。特に銀行のCOBOL案件や、システム移行経験者の報酬は高い傾向にあります。また、短期集中型の難しい案件では、さらに高額になるケースもあります。逆に、サブメンバーとして、負荷の低い関わり方をする場合はその分金額が下がります。

顧問・アドバイザーの場合

  • 時間あたり報酬:1時間あたり5千円〜2万円程度
  • 月額固定:10万円〜50万円程度(稼働時間による)

特に技術顧問と業務顧問の両面を担える人材は、高い報酬を得ています。

近年のCOBOLエンジニア不足に加え、賃上げに踏み切る企業が増えたことを背景に、全体的に報酬水準が上昇傾向にあります。特にシステム移行プロジェクトの増加による、現場での報酬上昇が目立っています。

アクティブくん

企業側も柔軟な働き方ができる環境が整ってきているので、自分に合う働き方を探してくださいね。

【Q&A】50代、60代のベテランCOBOLエンジニアからよく聞かれる疑問に答えます

Q1: 「今からでも新しい言語を学ぶべき?」

A: 完全に新しい言語に乗り換えるより、COBOLを軸としつつ周辺技術を学ぶ方がおすすめです。例えば、JavaやPythonの基礎やWeb APIの基本を理解することで、システム移行プロジェクトでより価値を発揮できるようになります。ただし、無理に最新技術のプロを目指すより、COBOLと新技術の「橋渡し役」としての立場を目指すのがおすすめです。

Q2: 「在宅勤務の仕事はある?」

A: 2023年頃からCOBOL案件でも在宅勤務対応が増えています。特に保守・運用案件では、セキュリティ環境が整備されていれば在宅可能なケースも増加しています。ただし、銀行など一部ではまだオフィス勤務が原則の案件も多いため、働き方の希望は早めに伝えることが大切です。

Q3: 「体力的にフルタイムは厳しいが、短時間でも需要はある?」

A: あります。特に以下のような働き方で短時間勤務のニーズがあります。

  • 週2-3日の顧問形態
  • 1日2-4時間の短時間勤務
  • トラブル対応やレビュー担当としての部分的対応

技術力と経験があれば、フルタイムでなくても十分需要はあります。体力と相談しながら、無理のない範囲で経験を活かせる働き方を提案してみましょう。

Q4: 「定年後、どのような働き方が現実的?」

A: 定年後の一般的なキャリアパスとしては:

  • 同じ会社での再雇用(週3-5日)
  • システム開発会社での業務委託契約(プロジェクトごと)
  • 人材エージェント経由での派遣社員(短期〜中期)
  • 業界団体や教育機関での技術指導役

健康状態や収入ニーズに応じて、無理せず段階的に負担を減らしていく方がより長く活躍できます。

まとめ

この記事を通じて、COBOLエンジニアの市場価値の高さと、活躍の場の広さについて解説しました。

長年かけて身につけてきたCOBOLスキルと業務知識は、決して「古い」ものではなく、社会の重要なシステムを支える貴重な「宝物」です。若手COBOLエンジニアの不足により、その価値はより高まっています。

技術の流行り廃りを気にするのではなく、自身の経験とスキルに自信を持ち、自分のペースで活躍できる場所を見つけてください。

どのようなキャリアを選ぶにせよ、健康第一で無理のない働き方を心がけましょう。長く働き続けることで、さらに価値ある経験を積み重ね、社会に貢献することができます。

アクティブくん

あなたに合った次のキャリアステップが見つかることを祈っています。

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この記事を書いた人

アクティブ100の看板キャラ。人生100年時代。アクティブシニアのための充実したライフスタイルやお仕事に関してお役に立てる情報を日々研究している。最近の趣味は相撲観戦。

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